【取材】伝統的工芸品「多摩織」の未来を創造する-澤井織物工場

伝統的工芸品「多摩織」を今に伝える澤井伸さんへその思いをうかがいました。澤井織物工場では工場見学や体験も行っています。

伝統的工芸品「多摩織」を今に伝える澤井織物工場。

4代目代表・澤井伸さんは手織りの伝統を守りつつ、新たな創造を生み出すチャレンジ精神について語ってくれました。

伝統工芸士・澤井織物工場代表の澤井伸さん

-多摩織とはどんな織物ですか?

「紬(つむぎ)、お召、風通(ふうつう)、変り綴(つづり)、もじり織の5種類の織物です。

八王子はもともと多品種の織物を扱っていたので、伝統的工芸品としても多種が指定を受けました」

伝統的工芸品の指定を受けるには、100年以上の伝統を持ち続けていること、地域産業として成立していることなど厳しい条件があります。

多摩織の紬はこの高機で織られるものもあります

-どのように作られているのですか?

「5つの織物に共通するのは、糸を先に染める先染めであり、主に手作業だということです。

織る際には、糸の密度や本数なども細かく決められており、その中でどんな柄を出していけるかが大切です」

こうした伝統的工芸品は受注制作で、工場全体の織物の1割程度。現在の主力製品はマフラーやショール、ストールなどで、カシミアや綿、麻など扱う素材もさまざま。

MoMA(ニューヨーク近代美術館)の通販で採用されたオリジナルマフラーもあります。

使えば使うほど体になじんでくるという多摩織

-新しい生地の開発はどんな発想で生まれるのですか?

「今、世に出ているものを展示会やお店に見に行きます。

そして、そこにないものは何だろう?と考えます。
例えば、ニットで編んだものがあるとします。それを染めて、ほどいて織ってみる。

そんな風にして新しいものができないか考えてみるのです」

斬新ともいえる発想ですが、先代から受け継ぎ、自身も若き頃に学んだ着物の知識が役立つこともあるようです。

また、開発途中、時に問題が起こっても「大切なのは好奇心とチャレンジ精神」と捉え、その経験を後に生かしています。

先代の生地見本には金糸、銀糸をあしらった華やかな竹の紋様が

現在、澤井織物では見学や体験を受け入れています。

「私自身、年齢を重ねるにつれ、人を育て、多摩織をもっともっと知ってもらいたいという気持ちが強くなりました」
と、澤井さんは今、多くの時間をこうした活動に割いています。

わが街八王子が誇る「多摩織」のふるさとを訪れてみては。

◇工場の見学、体験は2週間前までに申し込みを。

澤井織物工場
住所 / 八王子市高月町1181
電話 / 042-691-1031
解説付き見学(しおり付き)500円、体験は1200円から(体験内容による)
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